第30章 君に捧ぐ誓い【カラ松】※
「俺たちは…何かに祟られでもしたのだろうか…」「確実に呪われてるわよね…」
二人して盛大にため息をつく。デート開始から4時間、ついに行き詰まってしまった。
いろんな場所に行ったはいいけど、ほとんどが門前払い。こんなのってある?デートするなっていうお達しか何か?酷くない?!
昨夜だってまともに眠れないくらい楽しみにしてたのになぁ…
「、散々歩き回らせてしまったな。足、痛くないか?」
「ううん、それは大丈夫だけど…もうすぐ夕方になっちゃうわね…」
西に傾き始めた太陽を見上げ、また小さくため息をつく。これからどうしよう…道に迷ったわけだし、無事帰れるかすら分からない。
途方に暮れる私とは対称的に、彼は顎に手を当て何か考えているようだった。
「カラ松?」
「ああ、いや…待ってくれ、思い出せそうなんだ」
「思い出す?」
彼はしばらく頭を悩ませていたけれど、やがて嬉しそうに顔を綻ばせた。
「よし、思い出したぞ!、また少し歩くことになるがいいか?大丈夫、ここからならそこまで遠くはない。日没前には着くはずだ」
「?うん、構わないわ」
彼がすごく生き生きしているように見えるのは、気のせいかな…?
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