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【おそ松さん】6人の悪魔と愛され幼なじみ

第27章 飴と恋模様【十四松】





「けど私、初心者だからすっごく下手だと思うわ。それでも大丈夫?」


「君がどんな方向に投げても必ずキャッチするよ!僕に任せて!」「そ、そう?」


確かに彼なら人間離れした身体能力を持ってるし、心配する必要はないかもしれない。学生時代の体育の授業を思い出せば、ボール投げくらいできるはず!


「あとね、!叫びながら投げた方がすっきりすると思うよ!」


「え?どういう意味?」


「トド松とチョロ松兄さんのこと、怒ってるんだよねー?」


「!」


十四松と会って毒気を抜かれてしまったから、すっかり忘れていた。そういえばそうだったわ…


当然のように図星をつかれ、言葉に詰まる。彼は何も考えてないようでいてその実、行動の一つ一つに意味があったりするから侮れない。


「…二人から聞いたの?」


「ううん、ただ二人とも落ち込んでたから、きっと君との間に何かあったんだろうなって思ったんだ。さっきコンビニで働いてる時の君も、あんまり元気なかったよね」


…ほんとに、侮れないなぁ。


ここまでバレてしまっているなら、隠す必要もない。私は現在の心境を素直に打ち明けることにした。


「…そうよ。怒ってる。おかげで仕事中もずっとイライラしっぱなしだったわ」


「嫌いになっちゃった?」


「そ、そこまでは「ならね、思ってること全部吐き出して、楽になったらいいよ!」…え?」


思ってることを、全部吐き出す…?それがさっき、彼が言っていた、『叫びながら投げる』の意味?


「どんなボールでも、絶対僕が受け止めるから!ね、!」


「十四松…」


これはきっと、彼なりの励ましなんだろう。


ただ野球をやりたくてここに連れてきたわけじゃない。私を元気付けるために連れてきてくれたんだ。


彼の笑顔を見ているだけで心が洗われるくらいなのに、こんなに優しい気遣いまでしてくれて…どこまで私を感激させるのか。


涙が滲みそうになるのをぐっと堪え、私はボールを握り締めた。


「本当に、受け止めてくれる?」「バッチコーイ!!」


十分な距離を取って、グローブを構える彼。私は深く息を吸い込んだ。


そして、ボールを持った腕を大きく振りかぶり…


「トド松とチョロ松の(ピーーー)野郎ーーーッ!!!」ビューンッ!「おー!P音すっげぇ!」


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