第5章 松野カラ松という男
ダンッ!とレジカウンターに拳を叩きつけると、男は怯えながら悲鳴を上げた。
「わ、分かった!何か買えばいいんだろう?早まらないでくれ!」
問題はそれだけじゃないんだけど…まぁいいや。
彼はパチンと指を鳴らし、その場で謎のポーズを決めて私を見つめ、高らかに宣言した。
「君をもらい受けよう!さぁ、俺の胸に飛び込んでくるn「もしもし警察ですか?ちょっと不審者に絡まれてて…ああ、住所はですね」ちょっ!?ちょっと待ってくれ!!」
電話を切り、男を睨みつける。次ふざけたこと言ったらただじゃおかないんだから。
「お、オーケーオーケー…フッ、先程のはジョークだ。麗しきレディをマネーでバイなんてするわけないじゃないか。俺のようなクールガイがそんなミステイクを冒すはずは「ちょっと何言ってるか分からないんで日本語でお願いします」Oh yeah…」
ガーッ
!しまった、他にお客さん来ちゃった!
「い、いらっしゃいませー!…これ以上用がないなら、警察呼ばれる前に出ていってください。こっちは仕事中ですので」「アッハイ」
ピシャリと言い放つと、男は素直に返事をした後、項垂れながら外に出ていった。ふぅ、ようやく撃退成功。
っていうか本当になんだったのあいつ。都会は怖いわぁ…