第22章 恋慕と嫉妬【チョロ松】※
私はなくなりかけた理性をどうにか呼び戻し、彼の胸を両手で軽く押した。
「…何、この手」
「協力の件、忘れてない?チョロ松。あなたの望みだけ叶えるわけにはいかないわ」
「……」
チッと舌打ちをして、彼が起き上がる。一応私の意思は尊重してくれるらしい。
私も体を起こし、ひとまず深呼吸をして心を落ち着かせた。
…うん、大丈夫。このまま慎重にいこう。
「…で?協力って何」
「端的に言うと、あなたたちに抱くこの気持ちが恋なのかどうか、確認させてほしいの」
彼が目を丸くする。驚かれついでに、これも白状してしまおう。
「あの、実は私…こ、こういうこと、初めてじゃないの。あなたと、おそ松以外とは、な、なんやかんやあってすでに、その…」
「……………え?」ビシッ
あ、チョロ松に亀裂が。
「ちょ、え、う、ウソでしょ…?」「いえ、れっきとした真実です」「しん、じつ…」ビキビキ…パリーンッ「あ、砕けた」
衝撃のあまり粉砕したチョロ松の復活を待つこと、10分。
「…嘘…あいつらいつの間にか童貞卒業してたの…?いやいやいやありえない、童貞ゴッドの一松にさえ先越されてたとか笑えないから…っていうか何、僕ついさっきまで一番乗りじゃねこれ一番乗りじゃねとか余裕ぶっこいてたのマジ恥ずかしすぎてケツ毛燃えるんだけどもう生きていけない…!」ガンッガンッガンッ「うん、何考えてたのかよく分かったから落ち着いてチョロ松」ドガッΣ「痛!?」
復活した途端、部屋の壁に頭突きしながら懺悔と怨念?の入り交じった呪文を唱え始めたチョロ松に蹴りをくらわせ、正気に戻させる。頭突きの方が痛いはずなんだけど痛覚まで狂ったか。
「落ち着いた?」「う、うん、なんとか…」
そして二人でベッドに戻り、謎の正座タイム。ここに来てからすでに30分以上経過してるんですが。
「えーっと…君はまだ、誰が好きとか以前に、恋愛感情なのかも分かってないってことなんだよね?」
「うん。そんな気はするけど断定はできない感じ。だからめんどくさいかもしれないけど、今から私の言う順番で触れてほしいの」
「順番?」