第22章 恋慕と嫉妬【チョロ松】※
なんでもする、なんて簡単に口にした私が悪い。
彼は以前、¨変わりたい¨と言っていた。過去の自分を払拭したいと。だから油断していたのもある。
そう…まだ彼は変わったわけではなく、いつ本性を剥き出しにしてもおかしくない。
自分を保てなくなるって、そういうことだったのね…と、シャワーを浴びながら途方に暮れる私。
まさかの2回目ラブホ。正確には3回目。
いや、覚悟はしてましたけども!っていうか自分から誘おうとしたくらいだし!理由があってだけど。
ただ、できれば私が優位な立場のままがよかった…ドSチョロ松さん恐ろしすぎて部屋に戻りたくない…
精神が不安定になるほど、面接がうまくいかなかったのがショックだったのね。なるほど、私は見事に間が悪かったわけだ。なんで交差点で会った時にチョロ松だって気付いちゃったんだろう、すぐ見分けがついてしまう自分を今日ばかりは恨むわ。
浴室から上がってバスローブを身に纏い、扉を僅かに開けてそーっと室内を覗き込む。
…え、いない?どこに「遅い」「きゃあっ!」
ちょうど死角だった真横からいきなり彼が現れる。腕組みをしていかにも不機嫌そう…
「お、遅いって、そんなに長く入ってな「来い」わっ…!」
乱暴に腕を引かれ、ベッドの上に放り投げられる。な、なんたる仕打ち…!
「ちょ、ちょっと!なんでもするとは言ったけど、もう少し丁寧にあつか「うるさいな」…!」
体勢を立て直す隙も与えず、彼が馬乗りになって私を冷たい瞳で見下ろす。
「君は善意のつもりだろうけど、今の俺には逆効果だよ。…さっきの答え、教えてあげる」
彼はベッドを軋ませながら、ゆっくりと私に覆い被さり、耳元に唇を寄せた。
「…僕は君が好きだよ。好きで好きでたまらない。だから…
めちゃくちゃにしても、いいよね?」
ゾクッ「んっ…///」
すごく…ドキドキ、してる。
肌が熱を帯びて、呼吸が荒くなってきて、
なんとも思ってない相手に、こんな反応するわけない。
¨めちゃくちゃにされてもいい¨なんて、思うわけない…。
けどここで流されたらまた、いつもと一緒。