第22章 恋慕と嫉妬【チョロ松】※
腕を掴む手に力を込める。彼は振り向いてくれない。でも、その場を動こうともしなかった。
「……随分必死だね、ちゃん。僕に嫌われるの、そんなに怖い?」
「…!」
びくっと肩が跳ねる。
彼の言う通りだ。私はなんでこんなに必死になってるのだろう。
「ごめんね。僕、今ちょっと不安定っていうかさ…特に君が絡むと自分を保てなくなりそうだから…お互いのためにも、ここで別れておこう」
「チョロ松…」
必死になったのは、彼が好きだから?ううん、彼だけじゃない。今まで6つ子のみんなと一緒にいる時に感じた違和感は全部、この¨好き¨の気持ちがあったからなの?
だとしたらこの¨好き¨はやっぱり、恋愛感情…?
「……精神的に疲れてるってこと?」
「え…ああ、うん、そんな感じかな。君に八つ当たりをしたくないんだ。だから手を離してくれると「私じゃ、それを癒してあげることはできない?」……は?」
確かめたい。もういい加減はっきりさせなきゃ。
私が彼らに、恋をしているのかどうかを。
「チョロ松。私のこと、好き?」
彼の背中に問いかける。そこでようやく、彼がこちらを振り向いてくれた。案の定、顔を真っ赤にさせながら。
Σ「///!?なっ、いい、いきなり何聞いてるのちゃん!?」
「好きなら頼って。変な遠慮はしないで。私たち、幼なじみでしょ?」
「きゅ、急にほんとどうしたの?は!もしかしておそ松兄さんに何かとんでもないこと吹き込まれたとか?!」
そこで真っ先に名前の出てくる長男…どれだけ信用ないんだか。
「違う。私自身の意思よ。…いろいろ考えて、やっと答えが出そうなの。だからチョロ松に協力してもらいたくて」
「協力…?えーっと、君が僕を癒すんじゃなくて、僕が君のために何かするの?」「細かいことは気にしないで」「ちょ、アバウトすぎない?!」
「とにかく!あなたが立ち直るためなら私、なんでもするから!」
……カチ。
「…なんでもする?」
「!」
あ、あれ?この空気は、もしや…
「じゃあさ、俺の行きたいところに付き合ってよ。いいよね?ちゃん。君に拒否権はないよ」
Σひ、久々のドSスイッチ入っちゃった…!!