第18章 甘い甘い蜂蜜のような【トド松】※
エプロンを装備して、いざ調理開始!
さて、何を作ろうか。
材料はけっこう揃ってるから、洋食から和食、中華までなんでもござれなんだけども…
どうせなら彼の好きなものでも作る?本人に聞かないと分からないわね。「僕お菓子しか食べないよ☆」とかほざいてきたらぶん殴ろう。
「ちゃん♪」「わっ!」
名前を呼ばれて振り向くと、いつの間にか台所に侵入していたらしいトド松が、ニコニコ顔で側に立っていた。
「びび、びっくりしたぁ…もう、待っててって言ったじゃない」
「うん、でも君に任せっきりなのも男としてどうかなーと思ってさ。簡単なことなら僕もできるよ?少しでいいから頼ってくれないかな?」
はぁ…仕方ない。手伝う気満々みたいだから、お言葉に甘えるとしますか。
「分かったわ。じゃあよろしくね」
「それで、何を作るの?」
広げていたレシピ本を覗き込み、彼が首を傾げる。
「まだ決まってないの。その…トド松、あなたの好きな料理って何?」
「え!僕の好きなもの作ってくれるの?」「ま、まぁ…作れるものだったらだけどね」
きゅるん「僕お菓子が好きなんだ♪」「死ね!」ドゴッΣ「ぐっは!!」
予想通りだったために、それはもう鮮やかな腹パンをキメる。だからお前は女子かっての!
「な、なんで…なんで腹パンなの…?」「おやつタイムじゃないんだからお菓子以外にしなさい!」
「うぅ…お菓子が好きなのは本当なんだけどなぁ。あ!じゃあホットケーキにしない?」
「ホットケーキ…」
ふむ…それくらいならまぁ、許せるかな。私もたまにお昼に作るし。
材料があるかどうか、棚や冷蔵庫を開けて調べてみる。えーっと、ホットケーキミックスは…ある、蜂蜜もあるし、バター、牛乳、卵…あるわね。
「…うん。ホットケーキにしよう」
「わーい、やったぁ☆」
そんな嬉しそうにしちゃって…作りがいがあるわね。