第18章 甘い甘い蜂蜜のような【トド松】※
「他の兄さんたちには言ってないから、そこは安心してよ。まぁバレるのも時間の問題だろうけどね。童貞は鼻が利くからさ」
お前が言うか、とはあえて突っ込まないでおくとして。
あああ、顔から火が出そう…まだ3人の秘密にしておきたかったのに、予定が狂ったわ。
なぜ知られたくなかったか、なんて決まってる。知られたら絶対、他の4人も私を襲ってくるもの。
我先にとばかりに押し寄せてきてもみくちゃにされて…ああ、考えるだけで恐ろしい…!
「ちゃん」
肩を抱いて震えていると、ふいに彼が私の名を呼び、頬にキスをしてきた。
「!え…っ///」
頬を手で押さえ、彼と目を合わせる。彼は、今までで一番優しい笑みを浮かべていた。
「ほんと君は可愛いね。これくらいで真っ赤になっちゃうんだもん。…もっとすごいこと、経験してるのにね?」
「///す、すす、すごいことって…!」
「ふふ、ほら、そういう反応も可愛い。ウブっていうのかな。…はぁ、妬けちゃうなぁ。まさか、一番ありえないと思ってた二人に先越されるなんて…自分が不甲斐ないよ」
そっと背中に腕を回され、体と体が密着する。
不思議…6つ子なのに、みんなそれぞれ感じるぬくもりが違う。トド松は…なんていうんだろう、ふわふわとして心地いい感じ。
「…大人しいね。君らしくないよ」
「…暴れてほしいの?」
「はは、それは困るよ。だって僕、君には敵わない自信があるもん」「どんな自信よ」
毒付きながらも、私も彼の背中に腕を回す。少しだけ力を込めると、彼がごくりと喉を鳴らしたのが分かった。
「…ちゃん…だめだよ」
「え…?」
「だめだよ、抱き締め返したりしちゃ。僕、付け上がるよ?期待…しちゃうよ?」
「あ、そうね。ごめんなさい」ドンッΣ「ちょ!話の流れぇっ!?」