第17章 悪魔たちの日常
…そして着いたのは、運動公園だった。
広々とした場所だけど、こんなところで一体何を?
私は不思議に思いながらも、近くの木に回り込んで身を隠し、二人を見守ることにした。
「じゃあ十四松兄さん、やろっか」
「了解でありマッスル!」
他に人がいないせいもあって、離れていても声がよく聞こえる。助かるけど、私も物音を立てないようにしなくちゃ。
十四松はツナギのポケットからバットを取り出すと…
………
ん?ポケットからバット?目の錯覚かしら、大きさが明らかに違うのに普通に出てきたわよ?
それどころかグローブとボールまで取り出す。ポケットから。
…ドラ○もんの四次元的なアレなのね、きっと。そう納得しておきましょう。
「どうする?兄さん。先どっちやるの?」
「キャッチボールしよう!」
「うん、分かった」
なるほど、キャッチボールね。そういえば十四松って会った時から野球野球って言ってたし、普段からよく誰かに付き合ってもらっているのかしら。
「はい、準備オッケー!いつでもいいよ、十四松兄さん!」
グローブをつけたトド松が構える。それを合図に、ボールを持った十四松が大きく振りかぶった。
「いっくよートドまっつぅーッ!!どっせーいッッッ!!!」
ブンッ!
ギュルルルルルΣ「え゙ッ!?ちょ、そんな速いの無理…」ドゴォッ!「ぎゃああああーっ!!!」ビューンッ
キラーン+
「あっははー、トッティ飛んでっちゃった!おかしいなぁ、全力じゃなかったのにー」
…………
私は何も見なかったことにして、静かにその場を去った。
***