第16章 両片想い【一松】※
「まだ早いわ…っそれにゴムとか…」
「あー…ゴム?」
いやだから!なんであんたらは揃いも揃ってゴムの存在そのものを忘れてるのよ!
…ん?でも待って。ここは私の家で…もちろんゴムなんてないし、一松も手ぶらで…
「悪いけど、俺そんな高尚なもん持ってないから」「高尚でもなんでもないわよ、常識よ常識!」「あるの?」「…ない、けど…」
ニタァー…Σ「ひっ!?」
ヤる気だ!こいつゴムなしで平然とヤる気だわ!
「大丈夫だって…中に出さなきゃいいんだろ?」「そ、そういう問題じゃない…!」
頑なに拒絶すると、彼は興が醒めたとでも言うように私を冷たく見下ろす。
「…じゃあここで終了。確かに妊娠でもさせちゃまずいしね」「…へ?」
あ、あれ…なんかあっさり身を引いちゃった?
彼はさっさと自身をしまいこみ、私の上からどく。立ち上がると、サンダルを履いて玄関のドアに手をかけた。
「えっ…い、一松?」
「…帰る。勝手なことしてごめん」
ガチャ…パタン
………え
えぇぇぇぇーーーっ!?
そ、それはない!それはないでしょ!?
散々人の体を弄んでおいて、本番前に強制終了して帰る!?意味が分からない!!
た、確かに私が嫌がったせいもあるけど…だからってこんなの…っ
「うぅ…熱くて苦しい…一松のバカ…!///」
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