第2章 六つ子は朝が弱い。
パシャ「いいわねぇ」
パシャ「その顔もっとちょうだ〜い♡」
うちの事務所お抱えのカメラマンの信子ちゃん(オカマ)の声がスタジオに響き渡る。
雑誌用の写真撮影の為にスタジオに移動したものの、みんななんだか大人しいと言うか元気が無いと言うか、なんと言うか…
「んーーー、なんかしたのかな、あたし…」
か「マネージャー、飲み物取ってくれ。」
1人悶々と考えていると、カラ松の声が頭に響いた。
「は、はい!!」
ブロマイドの撮影用の衣装のジーンズに白いシャツを羽織り、腹筋むき出しのままカラ松は休憩用の椅子に座っていた。
急いで駆け寄りペットボトルのお茶を渡す。
「はい、お疲れ様。もうちょっとだから頑張ってね!!」
か「……。」
「カラ松?? どこ見てんの?」
か「っや、な、な、何でもない!!あ、お茶!!あ、ありがとう」
私の後ろになんかったのかな??
お「あ''ーー、やっぱ慣れねぇもん着ると肩こるなぁ。彼方、俺もお茶頂戴。」
自分の後ろを気にしていると、おそ松がネクタイを緩めながら、ドカッっと勢いよくカラ松の隣に座った。
「お疲れ様、おそ松。ちょっと待ってて、取ってくる。」
その場にカラ松の分しか持ってきていなかった私は、そう言ってその場を離れた。