第9章 8 Melody.〜天side〜
「喧嘩しないで。両方使って遊ぼう」
「そうだね!天頭いいっ!」
(嬉しそうにしてる)
「きゃー!助けてー!悪い人に捕まっちゃったのー!」
「あ……!ま、待ってて!今助けるよリ◯ちゃん人形!」
「はははっ!陸っ……!リ◯ちゃん人形って丸々言っちゃおかしいよ……!」
保育園が終わるくらいか……もしくは小学校低学年か。
この頃のは、まだまだ遊びたいって欲が大きくて全くお姉さんぽくなかった。
笑った顔はあどけないし……まるで本物の天使みたいだ。
「天!天は王子様役ねっ!」
(このシチュエーションで王子……)
「人形は?」
「はいこれ!」
「ありがとう」
「ちょっと待ってよ!それじゃオレの仮◯ライダーはどうなるの?!」
「陸もリ◯ちゃんを助けるんだよ!」
「、それじゃ悪役がいなくなるよ」
(最初からいなかったけどね)
「……あっ!」
(……仕方ない)
「わっはっは!ボクは悪の中の悪、天大魔王だ!!」
きゃはは!との笑い声が響く。
本当に楽しそう。
恥ずかしいけど悪役をやった甲斐がある。
「出たな!天大魔王!!」なんて、陸もノリノリ。
「こいつの命貰った!」
「きゃー!助けてー!」
「このっ……くらえー!!」
「うわっ!」
「どうだ!参ったかー!!」
ボクもも陸もみんな笑顔。
2人の笑った顔は凄く好きだ。
だから……
(この時間がいつまでも続けばいい……)
こう思わずにはいられない。