第9章 8 Melody.〜天side〜
「大丈夫かな……少しは力になれたかな……」
「俺達はやるだけやった。後はあいつが実力を見せつけてやりゃいい」
「……そうだよな。あの子ならきっと大丈夫だ」
「ああ、あいつならやり遂げるだろ」
さっきの音楽番組が終わり、マネージャーの運転で事務所に戻ったボク達。
そこでも2人はおかしな会話をする。
普通に聞くと特に変わりのない会話のように思えるが、ボクにとっては違って聞こえて仕方がない。
あいつだのあの子だの……それに楽と龍の雰囲気も……何もかもがイコールで〝に会った〟に繋げてしまう。
「……ねぇ」
「なんだよ天」
「最後の番組……なんでコメント変えたの」
「ああ言った方がより信憑性が高いだろ」
「……ならどうして朝の打ち合わせで言わなかったの」
「っ……下手にコメントしたわけじゃねぇんだ。別にいいだろ」
……よくないからこっちは聞いてる。
みんなで決めたコメントを勝手に変えるなんて……ボクが納得するまで説明してもらわなければ気が済まない。
楽、龍。
キミ達はボクに何か隠してるでしょう。
なんなの。答えて。
「いいわけないでしょう。……ちゃんと説明して」
「な、なあ楽……天怒ってるよな……?」
「見りゃわかる……!けど闇雲に話せねぇだろ……!」
「そうだけどこれは誤魔化すのキツいって……!」
「何コソコソ話してるの」
「うわっ!」
「どあっ!」
「……言って」