第2章 1 Melody.
(こうなったらこの人達の歌を歌ってみようっ……)
そこで浮かんだIDOLiSH7の曲。
しかし彼らは7人で歌っているから、1人じゃパートがキツい。
なら壮五さんと環くんからなるMEZZO”の曲をお借りしようか。
……いや、やはり恐れ多い。
と、色々考えた結果私が選んだのは……
(もうこれしか浮かばない……!)
「そーちゃん、これ……俺達の曲だよな?」
「う、うん……」
「なんか、違って聴こえるな」
「違って聴こえるどころか凄いよ……!とても綺麗だ……」
選んだのは結局MEZZO”の曲だった。
それも彼らの記念すべき1曲目。
失礼だけど、セカンドよりこっちの方が1人でも歌いやすいからって理由で選ばせてもらった。
私の下手くそな歌がレッスン室に響き渡る。
「っ……ど、どうでしょうか……」
「すげーよりん!!」
「えっ……?」
(りん……?)
「すげーよ!なっ、そーちゃん!」
「うん。綺麗だし上手いし……僕ファンになったよ」
(ファ、ファン?!)
真っ先に感想をくれたMEZZO”の2人。
ここはカラオケじゃないんだし、勝手に歌い出してしまった事にてっきり怒られるかと思ってた。
けど壮五さんも環くんもそんな事全然気にしていないみたい。
逆に褒めてもらってちょっと安心した。
「ソウはアイドル好きだからなー」
「で、でも大和さん……私まだデビューしてません……」
「そんなの関係ねーの。お前さんはもうウチの人間だろ?」
「は、はい……」
「アイドルの卵でもアイドルはアイドル。さっきの、お兄さんも痺れちゃったよ?」
「し、痺れ……」
「こりゃ良い子を見つけたもんだ」
「まあねー!」
(社長さんめちゃくちゃ嬉しそう。な、なんでだろ……)