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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第2章 1 Melody.




「さんがお上手だからですよ……!」

「え……?どういう事?紡ちゃん」

「あれは 僕の目に狂いはなかった って顔してます……!」

「そ、そうなの……?」

「はい!私もさんの歌声に酔いしれちゃいました!」



私の素朴な疑問を感じ取ったのか、紡ちゃんがコソコソと耳打ちで教えてくれた。


それにしてもみんなして「すげー!」とか「上手い」とか言ってくれているけど……当の本人はあまり素直に受け止められなくて戸惑う。


私の歌を褒めてくれたのは、今までで天と陸だけだったから。



(まああの頃は子供だったし、童謡とかその辺だったけど……)

「姉!!」

「陸……?」

「来たよ!天にぃから返事!!」

「……え」

「ほら!!」



「って歌上手いね」って、昔天が言ってくれたっけ……。


とか思ってた時に、陸がまたもやスマホの画面を見せてきた。

そこにはこう書かれている。



【陸、今日はエイプリルフールじゃないよ】

【その嘘笑えない】



機械が作り出す文字だからか余計文面が冷たく見えて……心がズキッと痛む。



(嘘……か……)

「でも酷いよね。嘘じゃないのに」

「仕方ないよ……」

「そういえば姉……どうしてあの時から会おうとしてくれなかったの……?」

「っ……」

「どうしていきなり引っ越したの……?」

「それは……」

「今ならその訳……話してくれる……?」


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