第8章 7 Melody.
それから私と陸で名前公表についての真相を話した。
最後まで聞いてくれたけど、TRIGGER2人の表情は何故か冴えない。
八乙女さんは不満そうな顔。
十さんは心配そうな顔。
やっぱり怒られるのかなって、コソコソ陸と話をする。
「七瀬。お前がやった事、どれだけ影響が大きかったかわかってるか?」
「はい……」
「お前の感情だけで動いた結果があれだ。と天を思ってんなら他に方法があっただろ」
八乙女さんの焦点は陸に当てられた。
私達の中では一旦落ち着いた話題を掘り返され……またもや陸から元気がなくなる。
……彼らの本題はサイトの事。
お気遣いはとても嬉しいが……これ以上はもういい。
「楽……さっき陸くん言ってたじゃないか、あれしか方法がなかったって」
「けどな……!」
「ああでもしないと天は反応しないよ。それは楽だってわかってるだろ?」
「……っ」
「あ、あのっ……」
「ん?どうしたの、ちゃん」
「今日はわざわざ来てくださって本当にありがとうございます。でもこの話はもういいんです」
「もういい?あれ見てなんともなかったのかよ」
「そんな事はなかったです。ショックだったし……ヘコみました。けど私は明後日収録なんです……!そこでデビュー曲を披露するんです!だから批判は気にしないで、今は前を向こうって決めたんです」
「お前……」
「ですから私なら大丈夫ですよ!この向かい風……番組放送時には追い風にしてみせます!」