第8章 7 Melody.
小鳥遊事務所が所有する寮の前にTRIGGER。
天はいないけど……立っているだけでなんというオーラだろうか。
背景はただの壁とドアなのに2人ともキマって見える。
イケメンは何をしてもイケメンなんだ。
「って奴いるか?」
「?!」
(やっ、八乙女さんが私を探してる……?!)
「いません。彼女は今事務所に……って、ちょっと!人を押し退けないでください……!」
「いんじゃねぇか。あんたがだろ?」
「はっ、はいっ……!」
「お前に話があって待ってた。いいか?」
「っ……」
(近いよぉ……っ)
目の前に超絶イケメン。
ここまでのイケメンだと、恐怖よりドキドキの方が勝手に上回ってしまう。
あんまり顔を近づけないでほしいのに、恥ずかしくて目をそらすことしか出来ない。
「あ、あのっ!姉にあんまり近寄らないで下さい!」
「……姉?おい七瀬、お前今姉って言ったか?」
「えっ!あっ……ええっと……」
「どういう事だ。お前ら双子には姉貴がいたのかよ」
「でも楽、2人の名字は七瀬とで違うじゃないか」
「天みたいに養子になったかもしんねぇだろ」
(なんかちょっとマズい……!)
「あのっ!と、とりあえず中に入りましょう?!」
「中に入れるの?!姉!!」
「また言ったな、お前」
「あっ!」
(陸ってば……っ)
「さ、さあ八乙女さんも十さんも……!どうぞ!」