第8章 7 Melody.
「開けてくれてありがとう」
観念してドアを開けた私。
なんというか……自分って最低だなと思った。
心配かけたくないとか、まだ会いたくないとか……そんな自分勝手な考えばかりしているせいで、余計周りに迷惑をかけているんだから。
「ごめん……オレのせいでここまで騒ぎが大きくなって……」
(泣くなっ……折角拭ったんだから……っ)
「ううん、私は陸のせいだと思ってない。大丈夫」
「でもオレの考えが甘かったんだ。こうなるって……あの時は全然思ってなかったから……」
「だから大丈夫だってば……。天がいきなり来てびっくりしただけで……」
「自分のせいなのに側にいたいとか言ってごめんね……けどオレは全部姉と天にぃを思ってした事だったんだ。なのにこんなにも批判を買うなんて……本当にごめん……」
泣きたい気持ちは陸も一緒みたいだ。
声が震えている。
陸の思いは昨日話してくれた時にわかったから謝らなくていいのに。
収録は明後日だし……この子の為にも元気にならなきゃ。
「あの批判は私のせい。周りに期待させられるような存在じゃないのが悪いの。だからそんなに謝らないで」
「でも……」
「それに陸がしてくれた事嬉しかったよ。もー陸が嘘言わない事くらいわかるはずなのに……まったく天ってば」
「……ははっ、ありがとう姉」
「こちらこそありがとう。こうなったらもう仕方ないから、ブーイング起こす人達から拍手を貰えるように頑張るよ!」
「あ……オ、オレも手伝うよ!姉は本当はすっごく良い人なんだってわかってもらいたいんだ」
「ん、ありがとう。じゃあそのちょっと滲んじゃった涙を拭こっか」
「あっ……ははっ、オレ泣いてた……?」
「ちょびっとね」
「ん……これでいい?」
「大丈夫。可愛い顔に戻ったよ」
「なっ……だからなんで可愛いなんだよー!」