第8章 7 Melody.
一方私はレッスン室に1人で立て篭っていた。
天の声が聞こえないように耳を塞いで。
だってテレビで聞くのとは訳が違うんだ。
今天の声を聞いたら……きっと飛び出して行ってしまう。
(ごめんなさいっ……)
あのサイトの件で話があるっていうのは環くんから聞いた。
嬉しかったけど嫌で……だから私はまた彼を追い返したんだ。
でもこれじゃあの時の再現をしてるのと同じ。
申し訳なくて涙が溢れてくる。
「姉……天にぃ帰っちゃったよ。周りに惑わされないでって言ってた」
「っ……」
「……入ってもいい?」
「ダメっ……」
「大丈夫、オレしかいないよ。みんなには待ってもらってるから」
「や、だ……っ」
陸にも今は会いたくなかった。
優しい陸が側にいたら……私は絶対大泣きしてしまう。
あのサイトを見て傷ついて……天の事で苦しんで……もう陸には心配かけなくないんだ。
こうして立て篭ってる時点でダメだろうけど、次に陸や他の人達と顔を合わせる時は笑顔でいたい。
「……オレも嫌だ」
「っ……」
「天にぃの代わりは出来ないけど……それでもオレは姉の側にいてあげたい」
(陸っ……)
「だから開けて……?もう……1人で泣かないでよ……」