第7章 6 Melody.〜天side〜
ちょっと待ってろと言って消えていった四葉環。
中で待ってもらう気遣いは出来ないの?と思いながらも、ボクは言われた通り外で出てくるのを待った。
が来てくれるのを願いながら。
「天にぃ!ごめんね、待たせちゃって……」
「陸……」
「え、えっと……姉の事なんだけど……」
「……」
「まだ会いたくないって……」
しかし開いたドアから顔を見せたのは陸だけ。
まただ……。
または会いたくないと言う……。
もはやその言葉は、ボクにとって鋭利な刃物と同じだ。
深く突き刺さって……胸をえぐってくる。
凄く痛い……。
「ふふっ……」
「てっ、天にぃ……?」
「どうして……」
「……?」
(どうしてボクにはそればっかり言うの……っ)
理由はわかってる。
けど陸には会えてボクには会えないだなんて……そんなの意味がわからない。
何故ボクには条件をつけるの。
こっちはこんなに会いたいと思ってるのに……。
「ど、どうしたの……?」
「……なんでもない。帰るよ」
「えっ……ま、待って!オレもう一回姉と話してみるから……!」
「余計な事はしないで。無理矢理会わされても嬉しくない」
「嘘だ……」
「……嘘じゃな、」
「嘘だ!!じゃあなんでそんなに苦しそうな顔するんだよ!天にぃ!!」