第7章 6 Melody.〜天side〜
これくらいの事で挫けられては困る。
例えデビューした後でも、自分は何もしていなくても……クレームなんて入る時は入るんだから。
最初から甘やかしていたら、今後向かい風に立ち向かえない人になるかもしれない。
「フォローはしないよ」
だからボクはこう言ったんだ。
の為を思って。
どうしてもダメだってなるまでは、とことん立ち向かってほしかったから。
「どうしてだ天!」
「これくらいよくある事でしょう」
「確かに俺達も散々文句言われてきた。けどな、はまだデビュー前だぞ!」
(……?)
「何会ったこともない女の名前を呼び捨てにしてるの」
「あ?それは今関係ねぇだろ!!」
「そうやって直ぐに気安く呼ばないで。……イラつく」
「っ……このっ……!」
イラつくでしょう。
IDOLiSH7のマネージャー、小鳥遊さんにも楽はそうやって名前で呼ぶ。
……いや、別に小鳥遊さんの事はどうでもいい。
ただの事は簡単に呼んでほしくなかった。
ボクが負けるなんてこれっぽっちも思ってないけど、楽のその顔とテクニックでに近付いたらどうなるかわからない。