第6章 5 Melody.
「……あ」
「陸……?どうしたの?」
「い、いや……そういえば今日は天にぃが出てる回の放送日だなと思って……」
共演話が衝撃的すぎてうっかりしてた。
朝番組表を見ていたからそれは知っている。
私もみようと思って録画のタイマーはセットしておいたけど……今度は自分がその番組に出るんだと思うと、なんだか複雑な気分だ。
「あ……あのさ、姉」
「なに……?」
「よかったら一緒にみようよ……!天にぃの活躍!」
「え……?」
「1人でみるよりいいだろ?それに姉と……も、もっと一緒に居たいし」
「私と……?」
「あっ……!へっ、変な意味はないよ?!本当だよ?!」
陸ってば何慌ててるんだろう。
頬を染めながら言ったら勘違いされるかもしれないのに。
でも大丈夫。
陸が嘘を言ってるかどうか……私にはわかるから。
「ふふっ、もう焦りすぎ……!」
「だって……っ」
「よしわかった!じゃあ今日は一緒にみよう!私の可愛い弟くんっ!」
「なっ……可愛いは余計だろー!」
キミのその顔が赤く染まってるのを、可愛い以外になんて表現すればいいのかさっぱりわからない。
直ぐ慌てるとこ。
直ぐ照れたりするとこ。
ほっぺを掻く仕草。
大きめの目。
ほら、全部可愛い。
「ふふっ、ごめん」
「……姉なら許す」
「こーら、拗ねないの」
「す、拗ねてないよ」
「ほんとかなー?」
「本当だよ!もう……からかうなよなー!!」