第5章 4 Melody.〜天side〜
ついポロっとこぼれた本音。
何言ってるんだろうって、また自分自身に対して苦笑してしまう。
でも楽と龍は真剣に受け止めたようで……ボクにこう言ってきた。
「……お前何かあったのか?」
「悩みがあるなら俺たちが聞くよ」
何かあったのか?……あったよ。
悩みがあるのか?……あるよ。
けど全部の事だから……いくら2人が心配そうにボクを見つめても打ち明けられない。
話だけでも誰かに聞いてもらえたら……少しは心が軽くなるかもしれないのに。
「……悩みってわけじゃないけど」
「なんだ?言ってくれ天!」
「おい龍、何力入れてんだよ」
「あ、いや……天の話を聞くってあまりなかったからつい……」
「まあ確かにな」
「もし何か抱えてるなら力になってあげたいんだ。俺たちは仲間で……友達だから」
仲間で友達ーー。
自分もそう思ってる。
でもボク達はあくまでビジネスパートナー。
仕事に友情はいらないって、自分はいつも一本線を引いて接してきた。
だけどそうやって壁を作るせいで、ボクは自らの首を締めている。
九条さんの底知れない期待に加えてへの想い。
これを全て1人で抱え込むのは正直辛い。
辛いけど……
「……いや、なんでもない」
「どうして……!この際何でもぶつけてくれ!」
「どーん。……これでいい?」
「天……!ふざけてないで……!」
「この話はおしまい。帰るよ」
やっぱりボクは何も相談しない。
自分を救えるのは彼女だけだ。
今1番大きいのはの事だから。
(……キミに会いたい……)