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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第5章 4 Melody.〜天side〜




それから暫く海でオフを過ごした。


まだブツブツ文句を言う楽に水をかけたり。
時には砂を混ぜたり。

埋めんぞ!!って、楽が穴を掘り出したり。
それを見た龍が「これ入ると結構気持ち良いんだ!」なんて言い出したり。


もう完全に子供みたいだった。



「天……お前のせいで全身砂だらけじゃねぇか!」

「楽がいつまでも文句言ってるからでしょう」

「まあまあ2人とも。楽しかったじゃないか」

「……ねぇ。龍に〝まあまあ〟って言わせないようにするんじゃなかったの」

「お前が砂かけてくるからだろ!!」



動き疲れて浜辺に腰をおろす変装したTRIGGER。
でもその変装は、もはやあってないようなもの。


……いや、ない。

楽なんてグラサン外してるし、シャツのボタンは全開。
龍の帽子は海に落ちたからって今干してあるし。


けどこれが本来の2人なんだ。
何も飾らない……素の2人。



(でもボクは……)



自分の格好を今一度見下ろして苦笑い。

ニット帽を深めに被り、度が入っていない伊達眼鏡をかけ、いつもより少しだけダサめの服装と……ボクだけは変装を解かずに本当の自分を隠している。


自分だけ変装したってもう意味はないのに。



「……2人はいいよね」

「は?いきなりなんだよ」

「どうしたんだ?天」

「2人はいつも自分に正直だ。……時々羨ましくなる」

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