第5章 4 Melody.〜天side〜
1日オフ……。そんなのいつ振りだろうか。
TRIGGERを結成してからはあまりなかった気がする。
半日オフとかはよくあったけど。
「で、なんで俺まで来なきゃなんねぇんだよ」
「いいじゃないか。たまには3人で遊ぶのも!」
「龍が行きたいだけでしょう」
「っ……ダメかな?」
「別に。ただしあまり人目のない場所にする事。いくら変装したってファンはわかるからね」
「大丈夫!俺のとっておきの場所に2人を案内するよ」
実は朝の電話で「そこでなんだけど……みんなで何処かに出かけないか?」って龍に誘われた。
あまり気が乗らなかったけど、なんか計画してそうな感じがしたから仕方なくOK。
隣に座ってる楽はちょっと不満そう。
「なんだよとっておきの場所って」
「まあ着いたらわかるよ」
「ハァ……蕎麦食いてぇな」
「楽は髪の毛まで蕎麦にするくらいの蕎麦好きだよね」
「あ?どういう意味だよ天」
「だって色が蕎麦みたいでしょう?」
「元からだよ!!」
ははは!って龍の笑い声が響く。
つられてボクもちょっとだけ笑ってしまった。
それが意外だったのか、楽はハッとなって照れくさそうにしている。
ボクだって笑う時は笑うのに。
「ったく……」
「2人ともー!もう直ぐ着くぞー!」
「うるせぇよ龍!!車にいんだからデカい声出さなくても聞こえる!!」
「ははは!ごめんごめん!」
「大目に見てあげなよ、楽」
「あ?」
「楽しそうだよ、今の龍」
「……そうだな。まあいつも龍には迷惑ばっかかけてっから、」
「楽がね」
「今日くらいは〝まあまあ〟なんて言わせねぇように……って、なんで俺なんだよ!!お前だろ!!」
「あっ、そろそろ着いたんじゃない?」
「っ……このクソガキ……!!」