第5章 4 Melody.〜天side〜
〝天……ごめんね……っ〟
〝……もういい〟
〝でもっ……〟
〝しつこい黙って〟
〝あっ……〟
「っ……!」
翌朝。
ハッと目を開けると、見慣れた真っさらな天井が「おはよう」と言ってきた。
の夢を……それもキスをする手前までの夢を見ていたからか、ほんのりと頬が温かく感じる。
(やっぱりキミはボクの前から居なくなる……)
「……?」
目が覚めたなら早く支度を済ませなければと身体を起こしたその時。
なんだか違和感があるなと思ったボクは、確かめるために掛かっていた布団をめくってみた。
するとそこには大きく主張したボク自身。
男ならよくある事だけど、の夢をみた後でこれは恥ずかしい。
「っ……別に……ただの生理現象でしょう」
は関係ない。
身体が必要だと思ったからなっただけだ。
そう自分に言い聞かせつつもそこを隠すボク。
誰も見ていないのに。
(……何やってるの)
このまま照れていては時間が過ぎてしまう。
仕事に遅れるからと、ボクは恥ずかしさを抑えつけながら立ち上がった。
するとタイミング良くスマホが着信を告げる。
手に取り見てみると、画面には【龍】の文字が浮かんでいた。
「何?」
「おはよう天!いい朝だな!」
「そうだね」
「こんな良い日は海に入りたくなるよ!」
「海開きはまだでしょう」
「あっ、ははは……そうだな。って、それより話があるんだ」
「何」
「マネージャーから伝えといてくれって頼まれたんだけど……今日の生放送、緊急特番が入るからって中止になったんだ。だから1日オフだよ」