第4章 3 Melody.
そして翌日。
今日は朝からレッスンだった。
途中休憩を挟んだとはいえ、まだお昼過ぎなのにもうクタクタだ。
(体力もつけなきゃ……!)
「あ、いたいた。くんちょっといいかな」
「しゃ、社長!どうしたんですか……?」
「うん、キミに聴いてもらいたい曲があってね。一緒に来てくれる?」
(曲……?)
「は、はい……!」
IDOLiSH7のみんなは今お仕事に行っている。
あの人達がいる時はとても賑やかだけど、居ないと静かでちょっと寂しい。
なんだか売れないアイドルになった気分。
(って、実際まだ売れてない……)
「はい、入ってねー」
(社長室か……)
「失礼します……!」
「今用意するからね」
私をソファーに座らせ、プレイヤーにディスクをセットする社長さん。
彼の顔も手つきもどこか楽し気だ。
もしかして明るい感じの曲なのかな?
疲れちゃったから元気ほしいな。
とか考えてる間にイントロが流れ始める。
「これ……」
(可愛らしい曲……)
「はい、これがキミのデビュー曲ね!」
「そうなんですか……んえっ?!」
耳を疑った。
驚きすぎて声が裏返る。
これが?私のデビュー曲?
社長さん、それは流石に早すぎやしないだろうか。
マネージャーいないし。
レッスンだってまだ1回しかしてないし。
(本当に私のなのかなぁ……)
「ふふーん!」
(す、凄い笑顔……)
いや……あれこれ考えても無駄だ。
決定のようです。