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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第4章 3 Melody.




辛党……。

いや……そんな言葉じゃ表せられない程、壮五さんはこれでもかってくらいに唐辛子を自分の器に盛った。

本人は満足気にカレーを口に運んでいるけど、見ている周りは若干引いたような目をしている。



(私のまで辛く感じる……)
「の、喉痛くないですか……?」

「平気だよ。美味しいからちゃんも入れてみたらどうかな」

(まあ少しくらいなら……)
「は、はい。じゃあ貰いますね」

「いいよ、キミは主役なんだから僕がやってあげる。はい」

(えっ……容器傾けて入れようとしてない……?!)
「あのっ……」

「待てソウ!それじゃが死ぬ!」



大和さんのおかげで助かった。
あのまま傾けられてたら、きっとお皿一面真っ赤になっていただろう。


壮五さんは「え、どうして?」みたいな顔をしているけど。



「そうだぞ。そーちゃんのベロは、普通じゃねーんだから」

「僕の舌は……普通じゃない……?」

「そんなの食ったら、」

「ピー」

「する時、痛くなんだろ」

「……おい誰だ?タマの発言に規制音入れたの」

「私ですよ!」

「イチか。けどよくわかったな、タマがアレを言おうとしたって」

「四葉さんですから」

「なんだよそれ!ひでーないおりん!」



一織くんはよく周りを見ている。
常に冷静になって、次に何が起こるかまで予想しているみたいだ。


おかげでアレを聞く事はなかったけど……



「ふふっ」



やっぱりこの人達は楽しい。

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