第4章 3 Melody.
「ハァ……」
(ん……?)
って、色々思い返してたらため息が出た。
けど同時にノック音が聞こえたから視線をドアに向ける。
「!飯食おうぜ!」って、後から三月さんの声が追いかけてきた。
「わざわざ呼びに来てくださってありがとうございます……!」
「当然だろ?」
「ん……いい匂いですね。カレー……ですか?」
「おう!今日はちょっと奮発して、良い肉沢山使ったんだ!」
更にはデザートまであるようで、三月さんと一織くんの2人で作ってくれたらしい。
昼間の唐揚げ弁当じゃ悪いからって。
「そ、そんな気を使わなくても……」
「いいんだって!オレ達がやりたかっただけだからさ!」
「三月さん……」
「ほら!早く入れよ!」
三月さんに促されてダイニングへと繋がる扉を開けると……いきなりパァン!!という軽快な音が鼓膜を刺激。
ビックリして思わず目を瞑ってしまった私の耳は、続けて「ようこそ!!小鳥遊事務所へ!!」というみんなからの歓迎の言葉を受け取った。
でもクラッカーなんて誕生日みたい。
ちょっぴりおかしくてついつい笑ってしまう。
「姉のその顔、オレ大好きだよ」
「え……?」
「可愛いもん」
「っ……」
陸は昔から結構私に可愛いって言ってくる子だ。
そう思ったから口にしているだけなんだろうけど……その純粋さがたまに恥ずかしくなる時がある。
ちょっと顔が熱い。