第4章 3 Melody.
それを聞いて下手に言葉を並べてもしょうがないなと思った。
だから私は素直に頷いて、そして謝ったんだ。
「ごめんね、こんな理由で……」って。
「謝る事ないよ。みんなだって最初は色々あったんだよ」
「え……?」
「復讐の為とか」
(ふ、復讐……?)
「そうなんだ……」
「うん、だから謝らなくていいよ」
復讐ってなんだか怖い響き。一体誰だろう。
気になるところだけど、それよりも陸に呆れられなくてよかったって気持ちの方が大きかった。
アイドルとしてこの子は先輩だし、そんなんじゃプロにはなれないよとか言われたらどうしようって。
「でも会えたらそれでお終いにするつもりはないよ。やるからには精一杯頑張りたい。体と心に染み込んだこの恐怖と戦いながら、みんなと並んで歌えるようになるまで必死にやってみたいの」
「でも天にぃは……?連絡くらいなら直ぐ取れるよ……?」
「ううん……。天とはまだ会いたくないし、連絡も取りたくない。私が追いつくまでは……」
「そっか……」
「って……ははっ、何言ってるんだろう……」
「姉……?」
「私にはもう……天に会う資格なんてないのに……」