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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第39章 38 Melody.〜天side〜





「ダ、ダメ!あっ……!」



……という会話を聞いたのか、慌てた様子でが部屋から飛び出してきた。

しかしバランスを崩してボクの方に倒れ込んでくる。


受け止めたのはいいけど……どうも様子がおかしい。



「ご、ごめんねっ……」

(顔を顰めてる……)
「部屋、行くよ」

「あ……う、うんっ……」



の部屋まではほんの数歩。
なのに彼女はやたらゆっくりと歩いた。

よく見てみると、裾から包帯がチラチラと見え隠れしている。

それを目で捉えた瞬間全てが繋がった。


六弥ナギが可哀想だって言った事も、陸が大変だって言った事も。



「……足、みせて」

「っ……わ、わかったの……?」

「包帯が見えた」

「っ……」

「触るよ」



これから取り替えるつもりだったと聞いたボクは、ゆっくりとその包帯を解いていった。


出てきた足首は大きく腫れていて、触れるとは痛がる。

なのに強がって「大丈夫……!」なんて言うから……ボクは少し怒った。


これだけ腫れてて大丈夫なわけがない。
自分の身体、大事にして。


ボクに心配かけたくないって気持ちはわかるけど、ここで強がったってどうしようもない。



「……なるべく負担をかけないようにする事」

「うん……」

「かぶれないようにこまめに取り替える事」

「うん……」

「今はボクがやってあげる」

「え……」

「……ジッとして」


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