第39章 38 Melody.〜天side〜
「はーい、どちらさんですかー?」
(この声……二階堂大和……)
「……ボク」
「すいませーん、名乗ってもらわないと開けられないんすよー。ウチ厳しいんで」
(……タチ悪い)
「九条。九条天」
「ああ九条かー。待ってろー開けるから」
小鳥遊事務所の寮に着いて1番に出迎えてくれたのは二階堂大和。
ワザとらしく振る舞う彼に、思わず青筋を作りそうになってしまった。
「悪い悪い、そう怒るなって」とか言うけど、顔が笑ってるから全然反省の色が伺えない。
「……さんは?」
「あいつなら部屋で立て篭り中」
「……は?」
「お前に心配かけたくないんだと」
面白そうに笑っていたかと思いきや……の話になった途端に、二階堂大和は困ったような笑みを浮かべ始めた。
「隠したってしょうがねーのに」って、軽くため息をついている。
そんな彼を尻目に部屋へ向かってみると……余程嫌なのか、は頑なにドアを開ける事を拒んできた。
(こうなったら……)
「逢坂壮五、いる?」
「は、はい!……どのようなご用件でしょうか……!」
「噂は聞いてる。キミ、かなり過激なんだってね」
「えっ?!い、いやそんな事は……」
「ドアをこじ開ける……何か良い物持ってたら貸して」