第39章 38 Melody.〜天side〜
「…………薄情者?」
ボクは事情を知らない。
なのに何故そこまで言われなければならないのか。
詳しく話せばいいのに、肝心なところは誰も教えてくれない。
「そうだよ!姉、今大変なのに!」
(……大変?)
「ねぇっ、ダメだよ……!」
「姉は黙ってて!」
「……陸、に代わって」
だったら本人に聞こう。
ダメとか言ってたけど、ここまで来たら全部知りたい。
、ボクが直接聞いたら答えてくれるでしょう?
「も、もしもし……?」
「何があったの」
「た、大した事ないよ!みんなが大袈裟なだけで……」
「……」
「な、なに……?」
「ちゃんと答えて」
「っ……」
しかしは言葉を濁す。
練習中にちょっと……ミ、ミスっちゃったの。
でも大丈夫!明日からまた頑張るから……!
ちょっとのミスで、陸があそこまで興奮するわけがない。
は……嘘をついている。
「……ボクに言えないの?」
「い、言ったよ……?」
「嘘だってすぐにわかる」
「っ……嘘なんかじゃ……」
「……そう。だったらそこ、動かないで」
「え……ま、まさか……」
「そのまさか。ボクが行くまでに言い訳でも考えておきなよ」
「ちょっ……!来なくていいよ!ツアーが近––––って、天?天!……切られたっ……」