第38章 37 Melody.
「これは……」
ちょっと捻った程度だと思ってた。
でも私の足首は既に腫れ始めていて、見た目とても痛そう。
……って他人事のように言うけど……実際結構ジンジンしていて痛い。
触ると熱を持っているのがわかる。
「今日の練習は終わりにします」
(えっ……)
「ま、待ってください!あと少しで何か掴めそうなんです!」
「ダメです。悪化したら大変ですよ」
「でも……!」
「でもじゃない!!」
「っ……」
(凄く怒ってる……)
「踊れなくなったらどうするんですか!!そうなったら今までの努力が全部水の泡になるんですよ?!」
「っ……」
「あなたはおれの夢なんです……お願いだから言う事を聞いてくださいっ……」
(え……)
〝以前、あなたを大スターにするのがおれの役目ですと言ったのを覚えてますか?〟
〝あの時はそう思ってました。これは役目だと〟
〝でもいつからか……役目が夢に変わったんです〟
〝トップアイドルにさせてあげたい。もっと輝かせてあげたい。その為にはおれがあなたを支えて、道を切り開くキッカケを作らなければと思ってきました〟
〝正直自分でも驚いてます。こんなにもあなたの事ばかり考えてしまうのは。けどそれはあなたを押し上げたいからです〟
〝おれは……トップになったあなたをこの目で見たい。どれだけ輝いているだろうって……想像するだけでワクワクするんです〟
〝さん、おれが必ずあなたを大スターにしてみせます。だから……その時になったら最高のやつを見せてください〟
〝あなたの最大の武器……いくら疲れていても、それを見ればたちまち元気になる……あなたの最大の武器〟
〝スマイルを……これでもかってくらいに……〟