第38章 37 Melody.
(よしっ……!次はターン!)
「イタッ……!」
何度も繰り返し流される新曲のテープ。
その度に私は歌って踊っていたわけだけど……ターンに失敗したのか途中で足首に痛みを感じた。
蹲る私の元にマネージャーが駆けつけてくれる。
「どうしたんですか?!」
「っ……ちょ、ちょっと滑っただけですよ!」
「……」
(めっちゃ見てる……!)
「……その足、見せて下さい」
(ダメ……!)
「ほ、本当に滑っただけですから!……あっ!ついでだし少し休憩を––––」
「おれに隠し事しないでください。……ほら、足を出して」
私……無意識に足首を押さえていたみたい。
マネージャーがその手を退けようとして触れてきたけど、今じゃ懐かしいとも言える拒絶反応が出て……彼の手を払い除けてしまった。
〝おれの事、まだ信じていないんですか?〟
そういうわけじゃない。
ただ天と……陸も入るかな。この2人以外の男の人に触られたって事が怖かっただけ。
ははっ……と、ショックを受けたような表情を見せるマネージャーに心が痛む。
「ち、違います!私はマネージャーを信用してます……!」
「……いえ、気を使わなかったこちらも悪かったですね。あなたの事が心配だったとはいえ軽率でした」
(どうしてマネージャーが謝るのっ……)
「そんなっ……」
「もう触りません。ですが状態は確認させてください」
「っ……」
「さあ、足を出して」