• テキストサイズ

【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第38章 37 Melody.




(よしっ……!次はターン!)
「イタッ……!」



何度も繰り返し流される新曲のテープ。
その度に私は歌って踊っていたわけだけど……ターンに失敗したのか途中で足首に痛みを感じた。

蹲る私の元にマネージャーが駆けつけてくれる。



「どうしたんですか?!」

「っ……ちょ、ちょっと滑っただけですよ!」

「……」

(めっちゃ見てる……!)

「……その足、見せて下さい」

(ダメ……!)
「ほ、本当に滑っただけですから!……あっ!ついでだし少し休憩を––––」

「おれに隠し事しないでください。……ほら、足を出して」



私……無意識に足首を押さえていたみたい。
マネージャーがその手を退けようとして触れてきたけど、今じゃ懐かしいとも言える拒絶反応が出て……彼の手を払い除けてしまった。


〝おれの事、まだ信じていないんですか?〟


そういうわけじゃない。
ただ天と……陸も入るかな。この2人以外の男の人に触られたって事が怖かっただけ。

ははっ……と、ショックを受けたような表情を見せるマネージャーに心が痛む。



「ち、違います!私はマネージャーを信用してます……!」

「……いえ、気を使わなかったこちらも悪かったですね。あなたの事が心配だったとはいえ軽率でした」

(どうしてマネージャーが謝るのっ……)
「そんなっ……」

「もう触りません。ですが状態は確認させてください」

「っ……」

「さあ、足を出して」


/ 395ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp