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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第38章 37 Melody.




「っ……」
(マネージャー……っ)

「ちょっと、泣かないで下さいよ」

「だっ……嬉しくてっ……」

「ほら、涙拭いて」

「っ……」

「病院に行きますよ」



マネージャーが伝えてくれた事一つ一つが私の心に深く染み込んだ。
本当に……本当にこの人がマネージャーで良かったと思った。


私自身の力も勿論大事だけど……一緒に歩めば、夢が現実になりそうな気がする。



「立てますか?」

「はいっ……うわっ……」
(ちょっと無理かも……)

「……すみません。肩、貸してもいいですか?」

「え……ふふっ、なんですかそれ」

「笑うなんて酷いですね。人が気を使ったというのに」

「ふふっ、わかってます」

「全く……さあ、掴まって」

「はい」



時には荒ぶって色々と言ってくるマネージャー。
でも私の成功をいつも喜んでくれる。


良かったですよ!
流石さんです!


私の夢は、天に追いついて肩を並べる事。
だけど今この瞬間から、夢がもう一つ増えた。



「段差があります。気をつけ––––」

「マネージャー」

「……なんですか?」

「あなたの夢、私が必ず叶えてあげますね!」



トップアイドルになれたら天と並べられる。
そうなれば、マネージャーの夢も叶えた事になる。


つまり……自分の目指す場所は頂点。
そこに向かって全力で走っていくのが……今の私に出来る事だ。



「っ……何言ってるんですか」

「ははっ!やる気が満ち溢れてきました!」

「ガッツポーズなんかして……先ずは足を治すところからでしょう!!引きずりますよ?!」

(引きずる?!)
「そっ、それは嫌です!」

「なら黙ってついて来てください!!」

「は、はいっ!!」


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