第37章 36 Melody.〜天side〜
【十さん達といるなら今日は電話出来ないね……】
暫くやり取りをしていると自然と内容が変わってくるわけで……ふとからこんなラビチャが送られてきた。
今してもいいけど、ちょっとどころかかなり龍がうるさいから話が出来ないと思う。
でも【そうだね。】とは送れなかった。
なんだか寂しそうで。
「もしもし天……?本当に大丈––––」
「ちゃ〜ん!」
「えっ……?!は、はい!こんばんは十さん!」
(……横入りしないで)
「放っといていいよ」
「あ……でも……」
「酔っ払いの龍にはお守り役の楽がついてる」
「おい、誰がお守り役だ!」
「聞いてなかった?キミだよ」
「っ……あーそうかよ。天、スマホ貸せ」
「……は?ちょっ……」
「よっ。元気そうだな」
「が、楽さん……!こんばんは!」
(……殺意わいた)
を……楽に取られた。
一気に龍の相手役に回されたボクは、喧しい「めんそ〜れ〜!」を聞かないように耳を塞ぐ。
それでも龍の声が聞こえるから苛立つんだけど、楽の声は一切耳に入らない。
わかるのは彼の楽しそうな顔だけ。
(何話してるの……)
「て〜ん!楽しんでる〜?!」
「……全然」
「あ〜!ちゃ〜ん!天が寂しがってるよ〜?!」
「龍!お前ちょっとは静かにしろ!」
「あははは!わっさいび〜んわっさいび〜ん!」
(出た……龍の方言)