第3章 2 Melody.〜天side〜
「もしもし天にぃ?!」
「陸、今いい?」
「勿論だよ……!あっ!ちょっと待って!今お茶持ってくるから!」
「これ電話でしょう」
「あ……ははは、そうだった」
その日の夜。
やっと仕事を終えたボクは、帰宅するなり直ぐ電話をかけた。
陸の声が嬉しそうに聞こえる。
こっちからの着信を今か今かと待っていたみたいに。
「えーっと……」
「無駄話するつもりはない。単刀直入に聞くよ」
「う、うん」
「陸、が来たのは本当?」
今日1日ずっと気になっていた事が明るみに出る瞬間。
なるべく冷静に言ったけど、陸の答えを待つ間に心臓は少しずつ速くなっていく。
嘘か本当か。
まあ百さん達にあそこまでさせたのだから嘘じゃないんだってもうわかったけど。
これで嘘なら大問題。
「……うん、本当だよ」
(やっぱりね)
「そう。でもあんな事したのはどうして」
「あんな事って……?」
「の名前を出してって、百さん達に頼んだのは陸でしょう」
「あ……バレてたんだ……」
「陸以外に誰がやるの。私情を仕事に入れるなんてどういうつもり」
「っ……だって天にぃ嘘だって言うから……」
「いきなり言われても信じられるわけないでしょう」
「ごめん……。でも知ってほしかったんだ……姉がいるって……」
「……どうしてそこまでしてボクに知ってほしかったの」
「っ……姉が切なそうに笑ったんだ。私にはもう……天に会う資格なんてないのにって……」