第3章 2 Melody.〜天side〜
それから少しの事を話してくれた陸。
どうしてアイドルになろうと思ったのかとか
どうして直ぐに天にぃと連絡をとらないのかとか。
直接本人から聞いたわけじゃないのに、話が進む度にボクの胸は苦しく締め付けられた。
(……)
「あ、それとね……?実際に会わないとわからないけど、今は天にぃの事怖いとは思ってないって言ってたよ。特別なんだって」
(……怖い?)
「どういう事、陸」
「あっ……ご、ごごごごめん!なんでもないよ!」
陸が妙に慌てている。
「そ、それより天にぃ!」って話題を逸らそうと必死だ。
ボクに言えない事があるんだろうけど、それでは意味がない。
「今日収録したやつ!あれっていつ放送されるんだっけ……?!」
「来週」
「そ、そっか!ちゃんと録画しなきゃなー!あっ、DVD新しいのあったかな……!」
「……陸」
「あ!あったあった!これでバッチリだよ……!ははは……!」
「やめて」
「っ……」
「さっきの、あれどういうこと」
陸にとっては突っ込まれたくない話題なんだろう。
けど怖いという言葉を聞いた方は気になる。
今のボクを知らないのに……知っててもそれはアイドルとしてのボクなのに、何故は怖くないと言ったのか。
陸は他に何を知っているのか。
教えてほしくて質問したけど……こっちがいくら問いただしても、陸は最後まで話してくれなかった。
「ごめん……。こればかりはオレの口からは言えないんだ……」
◆2 Melody.END◆