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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第35章 34 Melody.〜O〜




「っ……」
(天っ……)



なんて辛そうな顔をするのだろう。
なんて弱々しい姿を見せるのだろう。

私から目を逸らしてても、天の気持ちが充分すぎるほど伝わってくる。



(だから避けてたんだねっ……)



ここ数日の彼の行動は、TRIGGERの九条天を守るためにしてきた事だったんだ。


元々あった完璧なプロ意識
ファンを大切にする姿勢


彼は彼で、私と仕事の間で苦しんでたんだ。



「そんな顔をさせてるのは私なんだね……」

「……」

「天……私、あなたの事が本当に大好きだよ。でもそれと同じくらい……TRIGGERの天も大好きなの」

「……」

「会えない間、遠くからいつも応援してた。輝くあなたを見て安心して……私もファンのみんなと同じで元気をもらってた……」

「……」

「あなたを待ってる人は大勢いる。だからあなたは笑顔を見せ続けなきゃいけない。でも自分のせいで、そんな苦しそうな顔をさせてしまうなら……頭を抱えさせてしまうなら……私……っ」

「……何を言うつもり?ボクが側にいないとキミが辛くなるでしょう」

「でもっ……」

「心が決まったからここに連れてきた。……その意味がわからないとは言わせない」

「っ……」

「……も覚悟を決めて」


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