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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第34章 33 Melody.〜天side〜




突如大声を出した。

ここは外だし、おまけに事務所の前だからと……ボクは咄嗟に腕を掴んで、死角になる場所へとを連れ込んだ。


さっきより近くなる2人の距離に、少しだけ胸が高鳴る。



(……ドキッとしてる場合じゃないでしょう)
「キミさ……」

「言いたい事はわかってますっ……でもこのままじゃ帰れませんっ……」

「……ライバル事務所の前で、ライバルであるボクと密会してるなんて事、抜かれたらどうするつもり?」

「っ……」

「……ボクの進む道を邪魔しないで」

「そんなっ……私そんなつもりは……!」

「……もういい。見つからないように早く行きなよ」



いや、帰したくない。
不安そうにしている彼女を放っておきたくない。

どうして自分が冷たくするのかも、その間何を思っていたのかも全て話して……これからの事を2人でちゃんと決めていきたい。


なのにボクは黙ったまま。
1人で抱えて、1人で結論を出そうとしてる。

自分だけの問題じゃないのに……。



「っ……天は……」

「……外ではそう呼ばな––––」

「天は……私に呆れちゃったのっ……?」


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