第3章 2 Melody.〜天side〜
「龍、なんであんな事言ったの」
「え……俺何かまずい事言った……?」
「言ったでしょう。体調悪いんじゃないか?って」
「あ、ああそれか……でもあの時の天、顔色悪く見えたから……」
「ファンが心配するでしょう。ああいうのは二度と言わない事」
「ご、ごめん……」
「楽も楽だよ。大丈夫か?なんて簡単に口にしないで」
「お前な……!」
収録後の控え室。
龍と楽の優しさはちゃんとわかってるのに、それよりもファンの事を第一に考えてものを言うボクはかなりイライラしていた。
陸がの事を百さん達に言ったことも
どういう成り行きで本番中に名前を出してきたのかも……何もかもわからなくて。
「まあまあ楽……!」
「天、お前おかしいぞ」
「何が?」
「なんかいつもと違う」
「そう?普通でしょう」
今すぐ陸に連絡して事の真相を知りたい。そうすれば少しは落ち着けるはず。
でも楽達の前でそんな事は出来ない。
気持ちだけが先走ってしまう。
(まさか……早く仕事が終わればいいなんて思う日が来るとはね……)
この後は雑誌の取材が入っている。
だから直ぐには家に帰れない。
気になって気になって仕方ないけど……とにかく今はやるべき事をやらなければ。
「また黙んのかよ。ほんと変な奴だな」
「と、とりあえず車に行こう。取材に遅れるよ」
「だな。行くぞ天」
「……そうだね」