第33章 32 Melody.
「た、食べますから!皆さん落ち着いて下さい……!」
軽い喧嘩を始めてしまった環くんと壮五さん。
騒ぎが大きくなったら大変だと思って食べる事にしたのだが……流石にタバスコたっぷりのパスタは食べられない。
口にしたら本当に死にそう……っ。
さてどうしたものかとフォーク片手に固まっていると……一織くんと三月さんが新たなパスタを作ってくれて、私の目の前に差し出してくれた。
「死にたいんですか?あなたは」
「作り直したからこっち食えよ!」
「あ、ありがとうございます」
(美味しそう……)
「んじゃあ、こっちのタバスコパスタは、そーちゃんが食えよ」
「えっ……僕今お腹いっぱいで……」
「もったいねぇだろ。あんたがかけたんだから、あんたが責任持てし」
「……わかった」
こうしてなんとか騒ぎがおさまり……私は壮五さんと食事する事になった。
満腹のお腹に詰め込んでる姿を見ていると、なんだか申し訳なくなる。
(最初から食べるって言えばよかったな……あっ、でも結局はタバスコパスタか……)
「ちゃん、ちょっと聞いてもいいかな……」
(えっ……?)
「はい、なんですか……?」
「うん……どうして食べないって言ったのか気になってしまって……」
(表情がめちゃくちゃ暗い……!)
「い、いえ!あれはナギさんの言う通りただのダイエットで……!」
「そうは思えないんだ……。だってちゃん、凄く辛そうな顔をしていたように見えたから……」
「っ……」
(ど、どうやって誤魔化そうっ……)
「一体何があったんだい……?」