• テキストサイズ

【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第33章 32 Melody.




彼……今までで1番冷たい目をしていた。
嫌な焦りを感じるくらいの……冷酷な目。


仕事に関してはかなり厳しいって知ってるし、指摘があるならどんどん言ってほしかったのに……天は何も口にしないまま去っていってしまった。



(どうしたんだろう……)

「りん、おかえり」

「あ……う、うん!ただいま!」

「おかえりちゃん。夕食はどうする?キミの分ちゃんと用意してあるよ。……あっ、でももしかしたら済ませて来たかもしれない……だとしたらかえって迷惑になるんじゃ……」

「なあ。そーちゃんは、なんでいつもそうやって、どんどん悪い方にばっか考えるんだよ」

「えっ……いやそんなつもりは……」

「飯、食えば?でいいじゃん」

「そんな……!それじゃ素っ気無さすぎだよ……!」



お腹はすいてる。
でも食べる気にはなれなくて……私は断った。

そしたら壮五さんが凄く心配してしまって、寮内が騒がしくなる。



「姉どうしたの?!具合悪いの?!」

「う、ううん。そうじゃなくて……」

「ワタシわかりました。ダイエットでーす!」

「私が見たところでは、彼女にはダイエットなんて必要ありませんけど」

「もしかして恋の病ってやつか?!今日あいつと一緒だったんだろ?」

「いーや、九条の奴に説教でもされたんじゃねーか?」

「もしかしたら、僕が勝手に入れたタバスコのせいかもしれない……」

「あんたバカか!!そーちゃんがそんなもん入れたら、死ぬって言ってんだろ!!」

「し、死なないよ!僕はただ、ちょっとピリッときた方が美味しいと思って……!」

「あー!!オレと一織で作ったパスタがぁぁぁぁ!!」

「……真っ赤ですね」

「ほら見ろ!これのどこが、ちょっとピリッなんだよ!こんなもん、俺でも食えねぇし!」

「ちょ、ちょっとピリッは食べてみなくちゃわからないだろう……?!」

「食わなくても、わかるっつーの!!」

「あ、あのっ……」
(なんか大変な事になってきた……っ)

/ 395ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp