第30章 29 Melody.〜天side〜
今日のスケジュールはそんなにキツくなかった。
だからいつもよりは、と多めにやり取りをしていたと思う。
【TRIGGERさんのDVD観てた。やっぱ天かっこいい……】
【さっき寮のキッチン借りてケーキ焼いてみた!写メ送るね!】
「可愛い……」
自宅に帰り、送られてきた写メを眺めて笑みをこぼすボク。
ケーキだけ写せばいいのに、ちゃっかり自撮りしてる。
……背後に見える六弥ナギのキラキラとした顔にはムッとするけど。
(電話……?)
「はい」
「天!今大丈夫?」
「大丈夫だよ。何?」
「あのね!私にCMの話が来たの!」
「……CM?」
「うん!さっきマネージャーから連絡があった!化粧品のCMだって!」
確かには肌が綺麗……。
と思いながら頭に浮かんだのは昨夜の光景。
今は関係ない首から下の部分まで思い出してしまったボクの頬は……ちょっとだけ赤くなる。
(っ……何思い出してるの)
「そう、おめでとう」
「ありがとう!前ね?メイクさんに化粧品のCMとか良さそうって言われた事があるの。でもまさか本当に実現できるなんて思ってなかった!」
(嬉しそう……)
「けど油断しないで。毎日手入れは怠らない事」
「うんっ!」