第29章 28 Melody.〜L〜

そういう無駄口叩けないようにしてあげる。


なんて思ったけど、気づけばまた唇を塞いで……ボクはを求めていた。


ボクもだよ。
ボクも大好きだよ。

キスじゃ伝えきれない。
身体を重ねても伝えきれない。

ねぇ……どうしてくれるの？


止めどなく溢れてくる彼女への愛。

もう……自分1人じゃ抱えきれない。



（っ……だからって言えるわけないでしょう……）



大好きの更に上。
今感じてるこの気持ちはまさにそれだった。


しかし伝えられない。
伝えちゃいけない。

ボク達はアイドルだって事を忘れてはいけないんだ。

彼女の重荷にはなりたくない。



（しつこい……まだ抑えられない……）

「っはぁ……天っ……」

（っ……人が抑えようとしてる時にそんな顔しないで）

「本当に大好きだよっ……」

（っ……もうなんなの……）

「んっ……！っはぁ……んんっ……」



ねぇ……。

言葉に出来ない分このキスで伝えさせて。
それならいいでしょう？

どうにかして表現しないと気が狂いそうになる。


キミのせいで……。



（いつの間にか大分動ける……）
「っ……〝天〟は……？」

「えっ……？」

（凄く良いっ……）
「呼んでって……言ってるっ……」

「っ……」

「何……こういう時は恥ずかしがるのっ……」

「だってっ……」

（とびきり甘く呼んで……）
「早くしてっ……」