第29章 28 Melody.〜L〜
「っ……天っ……んぁっ……!」
やけに聞きたがる彼を不思議に思いつつ呼んでみたら……おまけに恥ずかしい声まで出てきてしまった。
えっ?!ってビックリして、なんとか我慢しようと堪えるものの……私の口からは同じような声が次から次へと出てきてしまう。
(何これっ……まだちょっと痛いけど気持ちいいなんてっ……)
「っはぁ……あぁっ……」
「良い声……可愛い……っ」
「えぇっ……んぁぁっ……!」
「もっと出してよ……」
「ふぁっ!はぁっ……あぁぁっ……!」
(勝手に出ちゃうっ……)
こんな声出してる所を上から見られてるって……なんて恥ずかしいんだろう。
顔を横に向けても、天の視線からはどうしても逃げられない。
けど次第に天は今どんな顔をしてるんだろうって、気になってしょうがなくなった。
だからちょっとだけ……彼の様子を伺ってみる事に。
(えっ……)
「っ……ハァ……」
(どうしよう見なきゃ良かった……っ)
するとそこには、切なげに顔を顰めながら小さく息を吐く天の姿があった。
かっこよくて色気があって……一瞬にして心を鷲掴みにされた私は照れまくり。
なのに目が離せない。
もっと見ていたいってなってしまう。
(それも好きっ……)
「っ……なに……?」
「えっ……」
(しまった気づかれたっ……)
「見惚れてたっ……?」
(しかも言い当てられちゃった……っ)
「あっ……えっとっ……」
「ダメだよ、逸らさないで……」
(え……)
「そのまま……ボクを見てて……」