第29章 28 Melody.〜L〜
こっちを心配そうに見つめる。
何かを言いたげにしている様子も伺えるけど、痛みが増したのか言葉に出来ないようだ。
……そんな辛さを与えてるのはボク。
ごめんって何度も思いながら少しずつに入っていくけど……
そういう自分も……また辛かった。
(キツい……)
「ん、ぅっ……!」
(ごめんっ……けど後少しだよ……)
の身体がボクを拒否しているかのよう。
来るな、出て行けって……無言で訴えてるみたいだ。
けど彼女は耐えてくれている。
ボクを受け入れようと頑張ってくれている。
どれだけ身体が拒んでも……ボクとの覚悟には敵わない。
(っ……終わった……)
「また泣いてる……」
「っ……泣いてないっ……」
「ならボクの指についたこれは何……?」
「それは……っ」
指先で光るの涙。
それが「痛かった」って、胸が苦しくなるくらい教えてくれる。
本当は泣かせたくなかった。
涙を流す姿は見たくなかった。
だけどこれは……彼女が耐え抜いた証でもあるんだ。
「……痛かったでしょう」
「だ、大丈夫……。だから続けて……?後どれくらいかわからないけど、私最後まで、んんっ……!ん……っ」
(頑張るからなんて言わなくていい……)
「んっ、はぁっ……ど、どうしたの……?いきなりキスして……」
(にはまだ痛みを感じてもらう事になる。けど……)
「……もう少しだけ我慢して」
「う、うん……」
(このボクが必ず良くしてあげる……)
「……いくよ」