第29章 28 Melody.〜L〜
〝好きだよ……〟
その言葉を言い終わったと同時に、また唇を塞ぐ。
絡まり合う指と指。
腰を引き寄せて密着する身体と身体。
全てボクがリードしているけど、は拒否する事なく受け入れてくれる。
「ボクにしがみついて」
「え……きゃっ……!」
「……何やってるの。しがみついてって言ったでしょう」
「でっ、でもこれ……あぁ恥ずかしいっ……」
(……くすぐったい)
何をしたかって……所謂お姫様抱っこ。
部屋の電気を消して、ベッド傍にあるランプを暗めに調節している間も……はずっとボクの首筋に顔を埋めていた。
ベッドに寝かせようとしてもなかなか離れなかったから、彼女にとっては相当だったんだろう。
(っ……何これ……)
ボクがセットしたランプの明かりが、の顔をぼんやりと照らす。
これくらいでいいと、特に狙って調節したわけじゃない。
なのについ酔ってしまいそうなほど、この光は甘く妖しい空間を作り上げていた。
が色っぽく見えてたまらない。
チラッと覗いてる鎖骨が誘ってくる。
上から見下ろしているだけなのに、こうも揺さぶられるとは思っていなかった。
(可愛すぎ……)