• テキストサイズ

【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第3章 2 Melody.〜天side〜




「待って天にぃ……!」

「……ごめん陸。ボクは九条さんと一緒に行く」



それから約1年後。
結局とは会えないまま、ボクは七瀬という名前を捨てて九条となった。


両親が切り盛りしていたお店の経営悪化と陸の体調、そしてへの複雑な気持ち。

色々なものを抱えてきたボクにとってこの転機は……更に自分を追い詰める事になるんじゃないかと思った。


プロの世界を九条さんに見せてもらった時はとても感動して、心が晴れやかになった気がしたけど……

キミはあの伝説のゼロをこえる逸材だと九条さんに言われた瞬間、ボクはなんとも言えないプレッシャーを感じた。


この人の期待は底なしだ。


と。



「姉はどうするの?!天にぃあんなに心配してただろ?!」

「はもういい。あれだけ行っても会おうとしなかった……それが彼女の答えでしょう」

「そんな……!姉が話してくれるようになるまで2人で待とうって……忘れちゃったの……?」

(忘れてないよ。本当はそうしたかった)
「……」

「ねぇ天にぃ……天にぃはもう姉の事嫌いになった……?」

「さあ……どうだと思う?」

「どうって……今でも好きに決まってるよ……」

「……正解」

「天にぃ……」

「大好きだよ。……どうしようもないくらいにね」


/ 395ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp